フィン付ヒーターの伝熱計算
ヒーター SUS304
管径 16 mm
SUS厚さ 1 mm
長さ 360mm(発熱部290mm)
フィン
立ち上がり幅 7 mm
板厚 0.25 mm
ピッチ 4 mm
ニクロム 線径 0.6φ
らせん径 5φ
表面の熱伝達率の計算
円柱側面の熱伝達率 (流れに垂直に置かれた円柱)
フィン部以外の熱伝達率
(at 150℃)
空気 動粘性係数 0.000029 m2/s
定圧比熱 0.283 kcal/kg・℃
流体密度ρ 0.834 kg/m3
熱伝導率λ 0.034 W/m℃
流速Um/s 0、5、10 m
代表長さDL 0.016 m
層流の場合(0.1<レイノルズ数<1000)
h=(0.35+0.47Red0.52)Pr0.3 λ/2r (120式)
乱流の場合(1000<レイノルズ数<50000)
h=0.26Red0.6 Pr0.3 λ/2r (121式)
風速 熱伝達率
0m/s 7 W/m2・℃ (風速0m/sはここでは7 W/m2・℃とする。)
5m/s 58.2 W/m2・℃
10m/s 88.2 W/m2・℃
フィン部の仮想熱伝達率(201式) 平板のフィンの場合
H=m*k*{sinh(m*L)+(h/m*k)*cosh(m*L)}/{cosh(m*L)+(h/m*k)*sinh(m*L)}
m=(h*c/k/s)^1/2
熱伝達率h 7、58.2、88.2 W/m2k
c:突き出た断面周囲長さ 0.10048 m (0.016*3.14*2)
s:突き出た断面積 0.00001256 m2 (0.016*3.14*0.00025)
k:突き出た材料の熱伝導率 17 W/mk
L:突き出た部分の長さ 0.007 m
(at 150℃) 風速 熱伝達率 仮想熱伝達率 形状による係数kを掛ける
0m/s 7 378 W/m2・℃ k<1 (実験地との差がでるまでここでは無視する)
5m/s 58.2 2327 W/m2・℃ k<1
10m/s 88.2 3103 W/m2・℃ k<1
円管のフィンの場合は計算が複雑なので簡易的に平板のフィンに対し、面積比を掛けると近似値が出る
(at 150℃) 風速 熱伝達率 仮想熱伝達率
0m/s 7 543.6W/m2・℃
5m/s 58.2 3345W/m2・℃ k<1
10m/s 88.2 4460.9W/m2・℃ k<1
一般に、フィンの熱伝達率計算値より実測値は平均して23%大きく出るといわれています。
フィンに微振動が入るのが原因といわれています。
伝熱量 フィン部とフィン部以外を平均した熱伝達率
1m当たりの伝熱量
伝熱量 Q=hxAx(T1-T2)
放射放熱量= (Tg^4-T1^4)*A*B*σ A:伝熱面積
対流放熱量= (Tg-T1)*A*C B:放射率
C:熱伝達率
σ:ステファン-ボルツマン定数
Tg:表面温度
ここでh*A*k=(h1*s1+h2*s2)
h1:フィン部の仮想熱伝達率
s1:フィン部の面積
h2:フィン部以外の熱伝達率
s2:フィン部以外のの面積
風速 平均した熱伝達率
0m/s 40.54W/m2・℃
5m/s 263.7W/m2・℃
10m/s 361.5W/m2・℃
ニクロム線およびパイプ表面温度の推定
ニクロム線温度を計算するのは極めて難しいのでおおよそを推定します。
4mmピッチで厚さ0.25t幅7mmのフィンが付いている場合、
ヒーター2mm(1ピッチの半分)長さから発生する熱量は 1.6*3.14*0.2*5=5.3(w)
この熱がヒーター断面2.0(cm2)を横に2mm流れる時の温度差は
熱伝導率SUS16.8w・m・℃、マグネシア37w・m・℃として計算すると約1.5℃であるから
SUS表面の温度はフィン部分も、フィン部分以外も同じであるとして考えます。
(伝熱計算ヒーター温度画面)
外気温度 ℃ 150
MgO層熱伝導率 w・m・℃ 37
SUS層熱伝導率 w・m・℃ 17
発熱線巻外径 mm 5
MgO層外径 mm 14
SUS厚さ mm 1
(計算式) Q=Qh+Qt=Qλ Q:全放熱量=ヒーター発熱量
Qh:放射放熱量
Qt:対流放熱量
Qλ:SUSおよびMgO内の伝熱量
Qh=(Tg^4-Ts^4)*A*B*σ Tg:外側表面温度
Ts:外気温度
A:放熱面積
B:放射率
σ:ステファン-ボルツマン定数
Qt=(Tg-Ts)*A*C C:対流熱伝達率
MgO層、SUS層伝熱
T1=To+A1*Ln(r1/r2) A1=Q/(λ1*2*π*L) To:SUS表面温度
T2=T1+A2*Ln(r2/r3) A2=Q/(λ2*2*π*L) T1:SUS内側温度・MgO外側温度
T2:MgO内側温度・発熱線外側温度
λ1:SUS熱伝導率
λ2:MgO熱伝導率
r1:SUS外径
r2:SUS内径
r3:発熱線部外径
L:長さ
1 上記数値をそれぞれの欄に入れる。
2平均した熱伝達率、放射率を変えて計算する。
3MgO層層内側温度をヒーター発熱線(ニクロム線)温度と考える。
(放射率0.5のとき)
ニクロム線 パイプ表面
10m/s 297℃ 283℃
5m/s 342℃ 328℃
0m/s 734℃ 720℃
(放射率0.9のとき)
ニクロム線 パイプ表面
10m/s 293℃ 279℃
5m/s 335℃ 321℃
0m/s 633℃ 622℃
熱伝達率を23%大きくして計算すると
10m/s 270℃ 257℃
5m/s 306℃ 292℃
0m/s 610℃ 596℃
この数値には仮定が入ってますので、実測が必要です。
また、風は理想的な流れを仮定していますが、形状などによっては熱伝達率は変化します。
ここでは、流れに直角、水平に置かれた円管で計算しましたが、フィン部分は流れに平行な平板で
計算した方が少し熱伝達率が大きく出ます。
計算にはかなりの仮定が入っています。出た数値を過信せず、かならず、試作し実測してください。