計算例目次に戻る      伝熱計算事例

  5、液タンクの加熱

5-1、

外気温度20℃のとき、1m角のタンクに入った水を2時間で60℃まで加温したい何ワットのヒーターが必要か?。

加熱計算→液体の加熱をクリックする。蓋ありを確認、たて、横、奥行きに1m、加熱前温度20℃、加熱後温度60℃、外気温度20℃、容器の厚さ耐熱塩ビ10mm、その熱伝導率0.18W/m℃、液体の比重1g/cm3、比熱1kcal/kg℃、容器の比重1.4g/cm3、比熱0.227kcal/kg℃、上昇時間2hを記入して実行をクリックする。結果→必要熱量は24.9kW。冬場の外気温度-10℃、蓋なし、上昇時間4hの場合15.3kWとなる。これでも、立ち上がり時間が長くなるが日常の使用には問題ないでしょう。

5-2、
上記条件で、断熱材を付けた場合、付けない場合に比べ、どれだけ違いますか。

加熱後温度での放熱量を比較します。蓋あり、断熱材なしの場合、1.57kWが放熱されます。周囲を20mmの断熱材で覆うとこの放熱は0.49kWになります。1年間常時使用していたとすると、(1.57-0.49)*24*365=9460kWh放熱、20円/kWなら19万円/年の差となります。さらに、高温でタンクを使用するとなると、耐熱の点からもしSUSに変えるとすると70℃でも差は倍以上となり、省エネの点からも断熱材は必要です。数値を入れてみるとすぐわかりますが、断熱材10mmでも大きな効果を示します。




熱伝達計算の式 

  計算には他にもいろいろ実験式がありますが、ここでは下の式を用いました。

1、タンク外面からの放熱 
   
  Q=Qh+Qt=Qλ    Qh:放射放熱量          Qh=(Tg^4-Ts^4)*A*B*σ
                                   Tg:外側表面温度 
                                   Ts:外気温度
                                   A:放熱面積
                                   B:放射率
                                   σ:ステファン-ボルツマン定数

               Qt:対流放熱量          Qt=(Tg-Ts)*A*C
                                   A:放熱面積
                                   C:対流熱伝達率

2、液体の加熱

  Qw=a*b*c*d*cp(Th-Tl)                Qw:水を昇温するに要する熱量 
                                   a:たて 
                                   b:よこ
                                   c:奥行き
                                   d:比重
                                   cp:密度
                                   Th:加熱後温度
                                   Tl:加熱前温度



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