計算例目次に戻る      伝熱計算事例

  6、気体の加熱

6-1、

外気温度20℃のとき、1m角の容器に入った空気を10分で60℃まで加温したい何ワットのヒーターが必要か?。

加熱計算→気体の加熱をクリックする。たて、横、奥行きに1m、加熱前温度20℃、加熱後温度60℃、外気温度20℃、容器の厚さSUS1mm、その熱伝導率16.28W/m℃、気体の密度0.0011g/cm3、比熱0.24kcal/kg℃、容器の密度7.82g/cm3、比熱0.118kcal/kg℃、上昇時間0.1667hを記入して実行をクリックする。結果→必要熱量は1279W。

6-2、

外気温度0℃のとき、たて3.6m、よこ3.6m、高さ2.6mの5℃の部屋の空気を10分で25℃まで暖めたい何ワットのヒーターが必要か?。ここでは簡単のため、周囲すべて合板10mmが貼ってあるものとし、その熱伝導率は0.16W/m℃、密度0.5g/cm3、比熱0.31kcal/kg℃とする。

加熱計算→気体の加熱をクリックする。たて2.6m、横3.6m、奥行きに3.6m、加熱前温度5℃、加熱後温度25℃、外気温度0℃、周囲の厚さ合板10mm、その熱伝導率0.16W/m℃、気体の比重0.0011g/cm3、比熱0.24kcal/kg℃、容器の密度0.5g/cm3、比熱0.31kcal/kg℃、上昇時間0.1667hを記入して実行をクリックする。結果→必要熱量は8.27kW。冬場の外気温度-10℃、保温材80mm、上昇時間1hの場合3.6kWとなる。25℃加温後の放熱は保温材あり1.4kW、保温材なし8.1kWと出る。
 ここでは、対流放熱7w/m2℃、放射率0.5で計算しています。
 計算の精度は高くありません。熱伝導率の温度変化、熱伝達率、実際と計算モデルのずれなど容易に変化するものが多く、いくら計算を厳密にしても現実がすぐに変化してしまうためです。精度よりも「当たらずとも遠からず」の数値を出し、必要に応じて修正するのが良策です。




熱伝達計算の式 

  計算には他にもいろいろ実験式がありますが、ここでは下の式を用いました。

1、外面からの放熱 
   
  Q=Qh+Qt=Qλ    Qh:放射放熱量       Qh=(Tg^4-Ts^4)*A*B*σ
                                Tg:外側表面温度 
                                Ts:外気温度
                                A:放熱面積
                                B:放射率
                                σ:ステファン-ボルツマン定数

               Qt:対流放熱量       Qt=(Tg-Ts)*A*C
                                A:放熱面積
                                C:対流熱伝達率

2、液体・気体・固体の加熱

  Qw=a*b*c*d*cp(Th-Tl)             Qw:昇温するに要する熱量 
                                a:たて 
                                b:よこ
                                c:奥行き
                                d:密度
                                cp:比熱
                                Th:加熱後温度
                                Tl:加熱前温度


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